一ヶ月前になりますが、オーチャードホールで開催された、フィリップ・グラス氏の「魔人ドラキュラ」シネマ・コンサートにいきました。(写真が出てきたので書いちゃいます)2年前、コヤニスカッティのシネマ・コンサート日本初演で、鳥肌とため息をつく経験をした。カッツィ3部作全部を観にゆき、以来すっかり私の中では、シネマ・コンサート=フィリップ・グラスという式ができあがっている。
今回は、奇才トッド・ブラウニング監督「魔人ドラキュラ」(1931年)35mフィルムを上映しながら、時を超え新たに「魔人ドラキュラ」のために作曲されたサウンドトラックをキーボード6重奏で演奏。もちろん、オリジナル「魔人ドラキュラ」はトーキーの初期に制作された作品なので台詞と少しの効果音だけ。映像にあわせて演奏が始まると、魔人ドラキュラが蘇ってきたようだった。ユニバーサルから発売されたモンスター・コレクションのDVDではクロノス・クァルテットが弦楽四重奏。今回はグラスと指揮者マイケル・リーズマンが演奏に参加し、日本でのコンサートのためにスコアを二声部を書き足したそうだ。
そして「魔人ドラキュラ」の主役、ドラキュラ伯爵ベラ・ルゴシも忘れてはならない!ドラキュラのトレードマークである、黒いマントとタキシードは「魔人ドラキュラ」から始まったのだ。ブロードウェイで500回以上ドラキュラ伯爵を演じた後、この作品であまりにも完璧なドラキュラ像を築いたルゴシはドラキュラ役者としての地位を確立した。が、その印象のせいで怪奇作品にしかでれなくなってしまって、怪奇役者として一生を過ごし、晩年はエド・ウッドのZ級チープホラー映画に出演したりして、1956年に永眠した。最後はドラキュラのマントを着て、棺桶に入ったという。(ルゴシの生き様はティム・バートン監督の「エド・ウッド」で描かれているのでぜひとも見てください。)グラスによって再び棺桶の蓋を開いたルゴシドラキュラ永遠なり。
クラシカルなゴシックホラーの様式美&オーチャードホールのしっとりとした空気感…フィリップ・グラス氏の作品が好きな私に取ってはすごく素敵な組み合わせだった。6重奏と歌舞伎役者ちっくなルゴシの眼光の組み合わせがたまらない。眼力スゴイ。キメゼリフはやはり「I never drink wine.....」。「フランケンシュタイン」と「ミイラ再生」も、作曲したいと意欲を燃やすフィリップ・グラス氏。ぜひ実現させて、また格調高き怪奇シネマ・コンサートをして欲しい。
そうそう、ルーシーがドラキュラ娘になって性格が豹変した時のあの白いドレス欲しい!どこかで売ってないかしら?
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